2月9日の選択

ずっと考えて来た自殺計画

何度も誰かに止められて

それでも

死ぬ事に希望を持っていて

SNSにそっと遺書を残した

2月9日

16歳の夜

君と最後のやり取り

後押ししてくれた、優しい言葉

家族の煙草

一箱盗んで

買った緑茶と一緒に無理やり流し込んだ

「バカ!!!」

数時間後、教師からの第一声

強制的に打たれた注射

嘔吐の連続

強制的な入院

退院した翌日

君とのやり取りも

君の言葉も

周りから否定された

周りが正しくても

君の後押しが間違ったものだとしても

自分にとっては

たった一つの希望だった

自分の存在さえ否定されて

自殺願望まで否定されて

行く場所も

頼るところも何も無いところで

君だけが

どんな無茶な言葉も

めちゃくちゃな願望も

全てを受け入れて、後押ししてくれた

「死ねなかった」

自分の第一声に、

「おかえり」と優しい君の一声

そこから

君との付き合いは想像以上に長くて

とても長い長いものになったけれど

2月9日

君を特別だと自覚した日

自殺をする前

約10年間

君には話さなかったこと

「もし

今回で死ねなければ、自殺は止める」

心の中で決意したこと

そして

「君がどんな風に変わっても

自分だけは永遠に君の味方で居る」

そう誓ったこと

二つとも、今も破ってなんか無い

2007年2月9日

あの日に自分は死んで

あの日に自分はどこか変わって

あの日に君を特別だと自覚して

思えば原点は

今、自分が生きている原点は

きっとその日から始まった気がする